建勲神社北の町家(シャワールーム)

建勲神社の北に位置する町家

小さな改修をしながら日々の生活の中で必要な不便と不必要な不便など、小さな気づきを日々掬い取りながら「建築に住むということは」を模索しています。

そこで今回はこの町家にとって一番気掛かりであったお風呂がついていない問題を解決しました。玄関を入ると土間・台所と続いており、一番奥に小さな庭があったので、そこをシャワールーム・脱衣所・洗濯が可能な場所としました。

入居して約2ヶ月、囲いのない裏庭で水浴び生活をしていたこともあり、この気持ち良さを残すためには陽の光を遮らないことと、部屋にいる時の裏庭から入る優しい光を殺したくないという思いからツインカーボの壁・屋根にすることを決めました。既存部分を傷付けないように数箇所だけビス留めをして壁と天井を新設。流石に脱衣所は姿が見えないように、光は通すがシルエットは見えない生地を採用しました。そしてシャワールームは狭く感じないように脱衣所とシャワールームの間の生地は透明のグリッター生地を採用しました。陽の光によって虹色になるだけでなく、水ハネによってできる汚れが気にならないものとなっています。普段派手に見えるグリッターもここまで野に放たれたような空間に置くと、違和感無く馴染むものですね。

シャワーは台所でバケツに水を貯めて吸水ポンプで引き上げて浴びています。園芸用のホースにシャワーヘッドをつけることによって、シャワーとなんら変わらないシステムにしました。そしてシャワーフックはUボルトで転用。両手で体を洗えるということは本当に素晴らしいことだなと日々感じるようになりました。そしてシャワーフックの面白さに気づく日が来るとは・・・です。

その他にも小さな手立てで生まれる使い勝手の良さ悪しを写真から妄想して頂けたらと思います。
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共同制作者:福田翔万